何が善であり何が悪であるのか、人間として倫理とはどういうものなのか、
という定義は、その時代によっては正反対になるほど異なっている。
古代にあっては、伝統やしきたりや習慣から外れた自由なふるまいをすることはひこうとみなされた。
また、個人として行動すること、身分を越えた平等、予測がつかないこと、慣れていないこと、
見通しの立たないことまでもが悪であった。
古代人から見れば現代ではまったく普通のこととされている行動や考えの多くが悪なのだ。
視点を変えるということはこういうことだ。
相手や状況を想像してみることだけが視点の変換ではない。
古い時代の事柄を学ぶことも、視点を変えるのに大いに役立つのだ。
「曙光」より