暑いの反対は寒い 、明るいの反対は暗い、 大きいの反対は小さい
これらは相対的概念を持った一種の言葉遊びだ
現実もこれと同じだと思ってはいけない
例えば暑いは寒いに対立しているのではないということだ
この両者はある現象が自分に感じられる程度の差を分かりやすく表現しているに過ぎない
それなのに現実もこのように対立していると思い込んでしまうと
ちょっとした手数の多さが困難や苦労となり些細な変化が大きな苦しみとなり
単なる距離が疎遠や絶縁に繋がってしまう。
そして多くの悩みはこの程度の差に気付かない人々の不平不満なのである。
「漂泊者とその影」より