若いときに心ひかれたり愛そうとするものは、新奇なもの。
おもしろいもの、風変わりなものが多い。
そしてそれが本物か偽者かなど気にしないのが普通だ。
人がもう少し成熟してくると、本物や真理の興味深い点を愛するようになる。
人がさらに円熟してくると、若い人が単純だとか退屈だとか思って見向きもしないような
真理の深みを好んで愛するようになる。
というのも、真理が最高の深遠さを
単純なそっけなさで語っていることに気がつくようになるからだ。
人はこのように、自分の深まりとともに愛し方を変えていく。
「人間的な、あまりに人間的な」より