Categories: 愛について

愛は雨のように降る

 

愛はどうして公正さよりも人気あり、重んじられているのだろうか。

どうして愛についてだけ人は多く語り、ひっきりなしに愛を賛美してやまないのだろうか。

公正さのほうが愛よりも知的なものではないだろうか。

愛は公正さよりもずっと愚かなものではないだろうか。

実は愛がそんな愚かなものだからこそ、すべての人にとって心地がいいのだ。

愛は尽きぬ花束を持っていて、愚かなほど憎しみなく愛を与えてやまない。

相手が誰であろうとも愛に値しないものであろうとも、不公正な人間であろうとも、

愛を贈られても絶対に感謝などしない者であろうとも。

雨は善人の上にも悪人の上にも分けへだたりなく降るが

愛もそんな雨と同じで相手を選ばずに与え、びしょびしょに濡らしてしまうのだ。

「人間的な、あまりに人間的な」より

tottosapo

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