知らない土地で漠然と肯定を消化することだけが旅行だと考えている人がいる。
買い物だけして帰ってくるのが旅行だと思っている人もいる。
旅行先のエキゾチックさを眺めるのを面白がる旅行者もいる。
一方、旅行先での観察や体験をそのままにせず、これからの自分お仕事や生活の中に活かして豊かになっていく人もいる。
人生というのは旅路においてもそれは同じだ。
そのつどそのつどの体験や見聞をそのとき限りの記念品にしてしまえば、実は人生が決まりきった事柄の繰り返しになってしまう。
何事も明日からの毎日に活用し、自分を常に切り開いていく姿勢を持つことが、この人生を最高に旅をすることになるのだ。
「漂白者とその影」より