かつてはこれこそが真実だと思っていたものが、今では間違いだったと思う。
かつてはこれこそ自分の変わらぬ信条だとしていたものが、今では少し違うと思う。
それを、自分が若かったとか浅かったとか世間知らずだったと断じて葬らないほうがいい。
なぜなら当時の自分にとってはそう考えたり思ったりすることが必要だったからだ。
当時の自分の段階にあってはそれが真実であり信条だったのだ。
人間は常に脱皮していく。常に新しくなっていく。いつも新しい生に向かっている。
だからかつては必要だったものが、今では必要でなくなったにすぎないのだ。
だから、自分を批判していくこと、人の意見を聞いていくことは自分の脱皮をうながすことにもなるのだ。
更なる新しい自分になるために。
「悦ばしき知識」より