生きた魚を手にするためには自分で出かけていきうまく魚を釣り上げなければならない。
これと同じように自分の意見を持つためには自ら動いて自分の考えを掘り下げ言葉にしなければならない。
そしてそれは魚の化石を買う連中よりもましなことだ。
自分の意見を持つことを面倒がる連中は金を出してケースに入った化石を買う。
この場合の化石とは他人の昔の意見のことだ。
そして彼らは買った意見を自分の信念としてしまう。
そんな彼らの意見は生き生きとしておらずいつまでたっても変わらない。
けれどもこの世にはそういう人間が数多くいるのだ
「漂泊者とその影 」より